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ITとか読書感想文とか

『1分間エンパワーメント』を読みました

ダイヤモンド社の『社員の力で最高のチームをつくる〈新版〉1分間エンパワーメント』を読みました。

www.diamond.co.jp

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先週読んだ『1分間マネージャ』と同じ著者 ケン・ブランチャード氏のシリーズです。 きっかけは以下で、同僚の @kobase555 からお勧めしてくれた&図書館にあったのですぐに読むことにしました。*1

エンパワーメントってなに?

タイトルでもある”エンパワーメント”という言葉ですが、私は初耳でしたし、単語を聞いてもいまいち内容を想像できませんでした。 ”エンパワーメント”の定義については本文の1ページ目できちんと紹介されます。それによると

エンパワーメントとは、自立した社員が自らの力で仕事を進めていける環境を作ろうとする取り組みです。

とのことで、わかるような気はするがどういうこと?という疑問を抱きながら読み進めることになりました。

1分間マネージャとの違い

同じ著者とのことで『1分間マネージャ』との違いを意識しながら読みましたが、冒頭から監訳者の星野リゾート代表 星野 佳路氏のまえがきで始まることもあり、全体的にマネージャよりもさらに上位、経営者向けの内容だと感じました。 要点だけなら星野氏のまえがきでほぼ語られているくらいにはシンプルな内容で、以下の3つの鍵がエンパワーメントの鍵として提示されます。

  1. 全ての社員と情報を共有する
  2. 境界線によって自立した働き方を促す
  3. セルフマネジメントチームを育てる

このシリーズはサクサク読める(2作しか読んでないけど)

『1分間マネージャ』を読んだ時にも感じましたが、本書も読みやすい文体でサクサクと読めました。 私は章を区切りに他のこともしながら読みましたが、読了までに実時間では3時間も要していない印象です。*2

本の構成として、悩める経営者の主人公がエンパワーメントに成功した会社を訪問し、トップおよび各所のマネージャ達と苦労と成功の経験談を聴きながら、自分たちの課題にどう向き合っていくかを考えていくシチュエーションは『1分間マネージャ』と同じで、構成的な登場人物とのコミュニケーションは分かりやすくて映像が浮かぶような楽しさがありました。

刺さったポイント

特に面白いと感じた2点つについてメモしておきます。

1つは「5 第2の鍵 境界線によって自立した働き方を促す」の章です。 この章では”境界線”について語られており、自由な裁量を社員に与えはするもののそれは何をやってもいいわけではなく、明確な目的やビジョンの元に定義された境界線の中での自由である事や、ガイドラインによって方向性がある程度は定まった方がより強い力が出るといった事が語られます。

では実際にどのように境界線を決めるのかという具体例として、コンビニエンスストアを例題に経営者側と労働者側の双方から10個ずつ仕事を書き出すという”トップ10プランナー”というリストのすり合わせがあり、その目線の違いが対照的に提示されてとても印象的でしたし、読者へ気づきを促していたように感じました。


もう1つは「監訳者のあとがき」で、まえがきも書かれていた星野氏による星野リゾートのエンパワーメントの旅が書かれており、舞台が日本の地方の温泉旅館と大変親しみが湧きやすくて全体的にイメージがしやすかったです。その中でも特に面白いのが自律的な改善行動を始めた社員からのコストが増える提案に対して「社員達の目は輝き始めているのに、(経営者である)私の目が曇り始めるという逆転現象が起こったのだ。」の部分です。

この”やる気から出てくるコストを(深く)考えない提案”は自分もやってきたことでしたし、その都度上役からコストと効果についてのバランスについて考慮を促されたことが記憶に蘇りました。

あとがきの中ではその状況への対策として会社の収益情報を社員に公開しつつ、明確なコストと利益の関係を共有と教育する事でより精度の高い提案を社員に促した、という流れが大変良かったです。

さいごに

本書を読むことで、平社員である自分からすると少し目線が上に伸びる体験と、かつエンパワーメントされる側としてどのように感じて行動することが良いのかを考える良い機会になったと感じています。

また、自分の現在置かれてる環境を振り返ると、結構エンパワーメントされた環境であることに気づくこともできましたので、これも大変よい学びでありました。

*1:友人や同僚など、身近な人のお勧めというのはできるだけ実際に手を伸ばしたいマインドがあります、社交辞令で終わってしまうのは勿体ないので

*2:私の読書スピードは平均より早い方ではないはず