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インフラなエンジニアからSREへ

『データ視覚化のデザイン』を読みました

『データ視覚化のデザイン』 永田 ゆかり(著) を読みましたので感想をメモ。

www.sbcr.jp

最初にまとめな感想

読み切った直後のツイートを貼っておきますが、データ分析者やプレゼン資料を作る人だけでなく、読み手としても日常生活に活用できる情報が大量にありましたので、広くお勧めできる一冊です。

本書を読もうと思ったきっかけ

認知したのはTwitterでTLに流れてきたことですが、読もうと思ったのは日頃からMackerelやDatadogやその他モニタリングSaaSでグラフをたくさん見ており、かつ自前のダッシュボードを整備していく矢先だったためです。

冒頭から学びしかない

1章「データ視覚化 キモのキモ」を読んだ時点で大量の学びがあり、以下は読みながらメモった語群です。

  • アンスコムの例(Anscombe's Quartet)
    • 数字だけでは違いがわりづらいデータを、視覚化することの偉大さがわかる代表例


  • カラーパレットも種類がある
    • シーケンシャルカラー
    • ダイバージェントカラー(中間からレンジ、2色のシーケンシャルカラー)
    • カテゴリカルカラー
    • ハイライトカラー(特定のデータだけ色を付ける)



  • 認知的負荷を下げる
    • これが最大の方針
    • データインクレシオ が少なければ少ないほど良い


  • ゲシュタルトの法則
    • 近接の法則(Law of Proximity)
    • 類同の法則(Law of Similarity)
    • 囲みの法則(Law of Enclosure)
    • 閉合の法則(Law of Closure)
    • 連続の法則(Law of Continuity)
    • 接合の法則(Law of Connection)

特に感銘を受けたのが”ポリティカル・コネクトレス”の部分で、色覚異常や性別、人種、国家などなどに対する中立的な表現を心がけることへの言及は、なんとなくは体感していたものの改めて認識することができたのは素晴らしい体験でした。

2章からは役に立つ技法の宝庫

1章で色や視覚の理論について学び、2章からはグッと技術的な内容でした。視線の移動や色使い、チャート選択などのノウハウがつまっていました。以下は読書しながらメモった語群です。

  • 色は3−4色に抑える
  • テキストの活用
  • ラベル付けで罫線を無くす
  • BaN
  • "ダッシュボードとは「データを見て理解を促進させる視覚的表現」と定義した"


  • ダッシュボードは二種類
    • 探索型(Exploratory)
    • 説明型(Explanatory)



  • 視線の遷移はFで、左上から
    • ゆえに左上に重要なデータを置く


  • ファネル(漏斗)チャートはステップごとの減少が分かりやすい(どこで失注したか)
    • 日本では利用が少ないが使いどころがあるチャート
  • eNPS - Employee Net Promoter Score
    • 従業員エンゲージメント


  • リッカート尺度
    • いわゆる5択のアンケート。満足している、していない。。。


  • ベンフォードの法則
    • 1で始まるものが多い


  • モバイルデバイスならではの仕様も意識する
    • 小さな画面で伝えたいことをさらに絞る

最終章が「どうやって組織へ根付かせるか」ですごい

最終章の5章「本当に組織に根付かせるために」もとても良い内容です。技術書の多くは技術についてのみ語られていて、それをどう活用していくかは読み手に任されていることが多いと考えていました。

本書では”視覚化”のための技法などに終始せず、それを組織にどのように根付かせるかについても言及されており

  • オーディエンス(利用者)を徹底的に意識すること
  • 統一感
  • フィードバックの重要さ
  • アジャイル的発想でスモールスタートする
  • 経営層のコミット

などのキーワードを押さえながらデータ活用に向けた要点が語られており、見られなければ意味がない”データの視覚化”について、見せながら進化させていくことの大切さを意識させられつつ読了しました。

まとめ

本書を読み終わって2週間ほどが経過していますが、日常や仕事で早くも効果を実感しています。それは以下の様なケースです。

  • 同僚氏のプレゼン資料のレイアウトレビュー
  • DatadogやMackerelなどのダッシュボードの読み方、作り方
  • 日常生活で見るさまざまなグラフやチャートの読み方

今後も本棚に置いて時々手にして思い出すことになる良書だと感じています。おすすめです。