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インフラなエンジニアからSREへ

『思考のトラップ』を読みました。人間の脳の滑稽さを味わって明日に活かせるか

デイヴィッド・マクレイニー著 『思考のトラップ』を読んだので感想をメモ。 www.futami.co.jp

最初にまとめ

全体にわたって、人間という動物の脳の単純さや本能的な行動、思い込みなどが興味深い事例とともにわかりやすく説明されています。 読みながら何度も「あーこれは思い当たる」と心の中でうなずくことばかりでした。

読み終わった今、すぐに何か変わることはないし、長い歴史をかけて人類が培ってきた脳の仕組みに簡単に逆らえないことは理解しつつも、ふとあるタイミングで本書の事例を思い出すことで、少しだけ”まし”な行動や考え方ができる可能性に期待しています。

48のトラップについて自分なりに噛み砕いてみる

本書では48の思考のトラップが紹介されています。 せっかくなので以下の2点について自分で噛み砕いてみます。

  • ざっくりどういったトラップなのか
  • そのトラップに打ち勝つためには

プライミング効果

人間は五感を通してあらゆる情報を無意識的に受け取って、行動に無意識につなげてしまう。

意識した瞬間にそれはプライミング効果ではなくなるので、カジノのような空間で大量にお金を使いたくなる衝動に駆られたら「これプライミング効果じゃね?」と思い出そう。

作話

何かを説明しようとしたときに辻褄を合わせるために少なからず作り話を行ってしまう。

行ってしまうことは避けられないのだから、データや数字といった確実なものを土台にしよう。

確証バイアス

人間はみたいものをみる。興味がある情報は目に留まる。偶然と感じることの多くがこれ。

つい何かを信じたくなったときに、その逆の考えもしてみる。

あと知恵バイアス

現在の知識を、過去の時点でも知っていたように振る舞ってしまう。

過去に起きたこと話す/聞く場合、後知恵バイアスが効いていることを念頭におく。

テキサスの名射手の誤謬

後からの強引なこじつけがもっともらしい事実に見える。

陰謀論的な考え方に触れたときに意識しておく。

先延ばし

積読、積みゲー、無理筋な勉強計画やダイエット計画などを立ててしまう。

未来の自分は信じてはいけない。衝動的で安易な道に流れるだろうから。 計画を工夫して未来の自分を追い込む(だます)必要がある。...けどむずい。

正常性バイアス

危機的な状況にあるが、自分は正常だと思ってしまう。

危機に対して訓練をする。正常性バイアスが働くことを理解した上で、どう行動するのかを検討しておく。

内観

感情で理解したものを、言葉にだそうとすると作り話をでっち上げる。

本能は本能で大事にする。言葉にした瞬間にそれは別のものになってしまう。

利用可能性ヒューリスティック

少ない事例をもとに、それが普遍的なものとして感じてしまう。確証性バイアスの親戚。

反証を考えること。ただの偶然ではないか、意図的に絞られた表現ではないか。

傍観者効果

傍観者が多いと、誰かがやるだろうと思って行動が抑制されてしまう。

まずは行動すること。傍観者になりたくないのなら。今、自分に何ができるかを探して動け。

ダニング=クルーガー効果

わずかな練習や勉強で自分が優秀だと感じてしまう。

地道な練習や勉強をしよう。

アポフェニア

偶然の連続をパターンとして感じてしまう。確証バイアスの友達。

起こり得ることは起きるんだよと冷静に考える。

ブランド忠誠心

特定のブランドを好意的にとらえ、信奉する。

ブランドというくくりで考えずに、個別に良し悪しを測ろう。

権威に訴える論証

えらい肩書きの人のコメントは、なんでも正しいように聞こえる。

餅は餅屋に任せるべきで、専門家がその専門についてコメントしたことに耳を傾けよう。

無恥に訴える論証

知らないことに対する説明を、つい受け入れてしまう。

一つの話で鵜呑みにしてはいけない、複数で確かなソースにあたろう。ただし、インターネットやSNSのこの時代では確かなソースは難しいかもしれない。

藁人形論法

議論の際に、極端な人物像(藁人形)を作り上げ、それを起点に反証する。アイスが欲しいとつぶやいたときに発展途上国の難民の話を持ち出すようなケース。

極論の多くがこれであるため、飲まれずにスコープを整理すべきだし、自分が藁人形を作っていないかを意識する。ボリュームゾーンや95パーセンタイルを意識する。

人身攻撃の誤謬

所属や経歴によって、その人物の発言を曲解してしまう。麻薬をやった俳優の作品が停止するのもこれ。

作品に罪はないし、たとえば凶悪犯罪者が述べた何かでも発言自体を率直に考慮する。

公正世界仮説

世界は公正なので、悪人にはバチがあたるし、正直者は良いことがあるという考え方。

そうでもないので日頃から前向きにやっていこう。ただし悪人になることをすすめるわけではない。

公共財供給ゲーム

公共的な財産を善意のみで維持することはできない、ズルをするやつが現れるから。

公共的な財産を守るために規制が必要と理解しておく。

最後通帳ゲーム

交渉ごとで実利よりもメンツをとってしまう。

メンツを傷つけない交渉をこころがける。

主観的評価

自分に対してのコメントを過大評価してしまう。

自分は特別ではない。それを信じたくなるならそれは主観的評価かもしれない。

カルトの洗脳

ただのファンが、その集団に属しているうちにカルトになるかもしれない。

自分が属している集団が、カルトではないかを定期的に振り返る。

集団思考

大勢の人間が集まると、対決を避けるために議論が進まなくなったり、愚かな結論にたどりつく。

空気を読まない人間になろう。違う意見を出せるなら出す。ただし周囲が集団思考で同意しかしてこない状況になっていたら、何らかの改善を試みよう。

超正常刺激

欲求を、必要以上に満たすモノを正常と感じてしまう。

必要最低限を意識する。腹八分目。

感情ヒューリスティック

何かを判断するときに、事実よりも感情で判断してしまう。

重要な場面こそ、印象や感情だけで判断してはいけない。

ダンバー数

個人がそれなりに深い付き合いができる人数は150名程度が限度である。

相互フォロー10,000人!みたいな話にだまされないように。

魂を売る(セルアウト)

インディーなバンドがメジャーデビューしてセルアウトしてしまったと感じる。

誰しもいくらかセルアウトしてるんやで? この項はちょっと難しくて、趣旨は消費者行動について誰もが枠にはまっているのだというものかもしれない。

自己奉仕バイアス

自分は優秀で、自分の手柄は課題評価しがちになってしまう。

そういう思考が働くのだから、謙虚にやっていこう。。。

スポットライト効果

誰もが自分を注視しているように感じてしまう。

大してみてないので気楽にやっていこう。

第三者効果

何かの意見や情報が、どこかの誰かに悪影響を及ぼしてしまうと考える。ただし自分は大丈夫と思ってしまう。

引用 ”人は第三者効果に騙されて、検閲を認めても良いという気になったりする。”

冷静に考えよう。 その一歩はいつか自分に届くのでは?

カタルシス

怒りの衝動を暴力的に発散すると、それが常態化し、さらに強化される。

怒りのエネルギーを有効活用する。トレーニングなのか勉強なのか、いくらでもあるだろう。

誤情報効果

記憶は辻褄を合わせるために間違った情報を取り入れてしまう。

そういうものなので、話が食い違ったら”誤情報効果”が起きてるってこと。

同調

周囲や権威に盲目的にしたがってしまう。

同調してないかを自問自答し、見えない圧力に抵抗する。

消去抵抗(バースト)

タバコ、酒、ゲーム、過食などをやめようとすると強烈な抵抗が内側から生じる。

抵抗が起きてしまうのは仕方ないので別の報酬で対抗する。

社会的手抜き

大勢で単純作業を行うと、手抜きが発生して成果がおちる

個人レベルでの計測。個人ごとの成果がわかる作業。

透明性の錯覚

相手が自分の奥底まで見透かしていると感じてしまう。

意外と見えてないから気楽に。

学習性無力感

ダメな状態が続いたときに、ずっとダメだと思ってしまう。

ダメじゃないのでやり方を変えてトライし続ける。

身体化された認知

暖かいものを持った状態で話すと、暖かい印象になったりする。

打ち解けたいなら打ち解けた空間・環境で話し合う。

アンカー効果

第一印象や、最初に提示した数値が、その後の交渉に影響する。

より多く/少なく求めるなら、とりあえず最初は過剰な数値を提示しておく。

注意

人は思ったほど意識を分散させられない。

集中すべき時は周辺を整える。

セルフ・ハンディキャッピング

言い訳のために自分を悪い状況に置いてしまう。

大事なイベントの前に夜更かしや徹夜はしないこと。

自己成就予言

無意識のうちに自分が思った通りに行動しようとしてしまう。

悲観的な思考は控えて、前向きにいれば、そっちに無意識的な行動がされる。

瞬間の自己

幸福には二種類があり、今瞬間的な幸福と、記憶として残り続ける幸福がある。瞬間の自己は瞬間的な幸福を求める。

瞬間の幸福も満たしつつ、記憶として残り続ける幸福も狙っていく。

一貫性バイアス

現在の認識をもとに、過去もそうだったと考えてしまい、さらにその後の行動にも影響する。

有効活用する。自分は善良で、勤勉なのだと。

代表性ヒューリスティック

何かに対し、テンプレートやステレオタイプに当てはめてしまう。

事実、数字で判断する。

余談

本質ではない環境や思い込みから、認識が変化する。

高級なお店で食べると美味しく感じるのも余談かもしれない。

コントロールの錯覚

偶然をあたかも自分でコントロールできていると感じてしまう。

それが前向きに捉えられるなら、進んでこの錯覚を利用していこう。

根本的な帰属の誤り

所属する組織や役割などからくる外的要因によるレッテルが行動や考え方に影響を及ぼしてしまう。

これを知った上で、悪い方向に進まないために組織や役割を考慮していこう。