SNSでお勧めされていた『難解な本を読む技術』高田明典/著を読んだので感想メモ。
全体を通して
良書でした。技術書を含む、ある程度以上の自分にとって難解な本を読む人へなら誰でもおすすめできます。
本や読み方に「タイプや方法」の名前をつけて説明されたことで、漠然とページを読み進めていた読書という行為が「この本は登山型で閉じている本だから同化読みしているが、1章の理解が不足したので読み直さないと2章も理解できなさそうだ」といった考え方ができるようになりました。
自分にとってのポイントをメモ
本には以下の2つの種類がある。
- 開いている本
- 閉じている本
別の観点で、本には以下の2つの種類がある。
- 登山型
- ハイキング型
読み方には以下の2つの種類がある。
- 同化読み
- 批判読み
本のタイプ
開いている本
著者の意見に閉じない。本を通して読者自身の思考を促すタイプの本。 ゆえに書かれている内容が発散するケースがある。
閉じている本
著者の意見を本を通して読者に伝えるタイプの本。 本を通じて意見は芯が通っている。
登山型
序章から最終章にかけて、理論や意見や知識を積み上げていく本。 途中から読むと文脈を取れずに理解が難しい。
ハイキング型
浅い内容で、複数の内容が続く本。 入門系の技術書はこれにあたりそう。 読みたいところを読んでも十分意味がある。
本の読み方
同化読み
著者の意見を信頼し、理解するつもりで読み進める方法。 基本的にはこの読み方が推奨される。
批判読み
著者の意見に対して、信頼をおかずに読む。 この読み方をする本をあえて読む必要があるのかをまず検討しよう。
読まないことの大切さ
109ページの”「読まない」読書による情報収集”の節が素晴らしいので一部を引用しておきます。
(中略)効率よく情報収集するためには、「読まない」というのは、実は、読書においてとても重要な要素です。当然、読書とは「読む」ことであると考えられていると思いますが、むしろ読書の技術の真骨頂は「読まないことにあります」。
この後しばらく続き、最後に「あえて言いますが、読者に対して礼を失しているのは、大量のくだらない本を書く人たちの方です。」で締められるのですが、この部分に著者の力強い主張を感じて感嘆の声を上げました。
読書ノートについて
難解な本を読むための技術として「読書ノート」の作り方が紹介されています。本書では物理のノートを利用する方法が紹介されていますが、iPadなどで電子でやる方法を模索したいと考えています。