人生で何度か聞いたことはあるが、いまいち意味のわかっていなかった「ピータの法則」について原典とも言える書籍を読んだので感想をメモします。
読み終わった直後の感想
読み終わったのはひと月ほど前で、読後すぐに感想をツイートしています。
面白いと巷で評判の『ピーターの法則』を読了
— もりはや (@morihaya55) 2023年3月5日
この本ほど「無能」の言葉が出てくる本もそうそうなさそう
昇進が無能を作り、それを防ぐための無能を意図的に装うことや、マイナス思考の処方箋など、自分の発想に無くて目からウロコでした
面白いけど複雑な読後感、オススメです pic.twitter.com/EmAFiF9XCf
残るタイプの本だった
自分は読書家ではありませんが、技術書やビジネス本から学ぶことは大事と考えています。*1 いくつかの本を読むと、読み終わった後に全く内容を思い出せない本と、一部でも意志やエッセンスのようなものが残る本があり、本書は後者に類するものでした。 この本の提示した内容はシンプルでわかりやすく、また自分も当てはまるのではないかと繰り返し自分に問い続けさせる力があります。
サブタイトルの”創造的無能のすすめ”
本書では前半はピーターの法則が何かの解説。後半は”処方箋”として対策が述べられています。 「昇進するといつか無能になる」が前半。 「無能にならないためには昇進しなければ/させなければ良い」が後半です。
著者の意図とは別に、自分が無能になりえるポジションに昇進する前に、意図的な無能として振る舞っておくと読み取りましたが、なかなかひどい話です。「会食パーティーへ変な格好で参加しましょう」じゃあないでしょうよ...
言いたいことはわかるものの、読んでいて良い気分にはなりません。しかしながら続きをどんどん読んでしまう説得力がある。複雑な気分で読み進めてしまう魅力がありました。
読む価値はある
19世紀の前半に提唱された「ピーターの法則」が、20世紀でも一般の言葉として使われていることは言葉や時間を超える力を持っている証と言えます。 楽しい本ではないので、この本を積極的に人に薦めたいかと言えばNoですが、人は誰もが社会に属していて、この本の示された言葉群で状況を理解しやすくなる可能性はあります。
また楽しい本ではないですが、不快までは至らない誠実さのようなものも本書からは感じました。 それらが入り混じって複雑な読後感を得て、一月経った今でも感想を少しでも形に残しておこうとなったので、これは良書なのでしょう、オススメです。
*1:元来の自分が怠惰な愚か者だと認識があるので